第3回探訪記
電子基準点「本宮」の前で記念写真。本宮町立請川小学校の敷地の中にありました。
大峰奥駆道の案内板。二等三角点「上切原」はその途中にあります。
登山(大峰奥駆道)入り口にある石碑登山途中にて伏拝地区を望む100年前に選点された標石(?)を前に記念写真「大黒天神岳」と書かれた看板が設置され、木の札が添えられていました遠く果無山脈を望む。写真から右の方向に連なる峰が果無山脈です。
意気揚々なのか、かなり疲れているのか?「カシミール3D」にて上切原から果無山脈を望む三角点の周りは高い木が生えているのと、対地高度70mの設定で撮影しているため実際にはこの景色は見えません。
「カシミール3D」にて大斎原より果無山脈を望む私たち和歌山県測量設計業協会の紀南支部有志は、2003年6月8日(日)高野熊野世界遺産登録申請記念の三角点登山を行いました。
今回は、電子基準点「本宮」と二等三角点「上切原」に登りました。電子基準点「本宮」は、本宮町立請川小学校に設置されていました。ステンレス製の固定ドームと、付属標が設置されていました。
電子基準点とはGPSを利用して位置を正確に連続して測定するための基準点です。国土地理院は現在日本国中に1,000点程度設置を完了しています。またこの人工衛星から受信されたデータは電話回線により、国土地理院に集められ、地震や火山活動に伴う地殻変動の観測監視を行っています。
もう1つの二等三角点「上切原」は明治34年(1900年)7月20日に選点されたもので、選点当時のものだとすると埋設されてから100年以上経ったことになります。(現在の標石が明治時代の標石かどうかについては、確証がありません。http://www12.ocn.ne.jp/~kon/yama/agc_tpix2.html参照)「点の記」によりますと昭和53年に観測した測量士の方は”茅野早苗”さんという女性(?)の方だと記録されております。(ひょっとして男性?)標石の標高は573.59m登山口から約1.9km時間にして約50分と書かれています。請川小学校の電子基準点の前で記念写真を撮り、私たちは上切原へ向かいました。
熊野川左岸の林道を終点まで登るとそこが登山の入り口になっていました。そこから山に入り登山は尾根を歩いていきました。梅雨に入る前の天気で、見晴らしは最高でした。この道が世界遺産登録申請中の大峰奥駆け道ということもあり、気分も最高でした。
途中何回か休憩し、目的の二等三角点「上切原」に到着しました。山頂には「大黒天神岳」の看板や木の札があり、信仰の対象になっているようでした。
持ってきた弁当を食べていると、早朝から大森山へ登ってきたという青年が下山していきました。かなりの健脚でかつ一人でも寂しくなさそうではありました。しかし、山では何が起こるかわからないので、2人で登った方が安全ではあります。
しばらく休憩し、下山しました。登山途中、参加してくれている(株)果無さんの事務所がある伏拝地区が眼下に広がり、その右手方向には1200m級の山々が連なる果無山脈を遠くに望むことが出来ました。この景色だけでも、本日の登山の意義はあったように思いました。
だらだらとした下り坂は、登るときよりもきつく感じられ、特に女性にはきつかったようです。
下山してから、本宮牧場に立ち寄り、冷えた牛乳を頂きました。これがまた最高においしかったです。聞けば(株)果無さんが事前に連絡を入れてくれており、帰る時間を少し延ばして待っていてくれたそうです。どうも有り難うございました。
ここ本宮町は、今回世界遺産登録申請がされている熊野本宮大社や本宮大社旧社地大斎原(おおゆのはら)また川湯温泉、渡瀬温泉といった観光資源も豊富で、観光に特に力を入れており、町全体がそのことに取り組んでいる様子がひしひしとつたわってきました。
第3回の世界遺産登録申請記念の登山は、以上をもちまして、無事終了致しました。
今回訪問した関連サイト及び連絡先
熊野本宮大社 本宮町本宮牧場647-1751東牟婁郡本宮町上切原119107354-3-0104